奢侈禁止令(しゃしきんしれい)とは、贅沢(奢侈)を禁止して倹約を推奨・強制するための法令及び命令の一群である。
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古今東西を問わず、贅沢は一種の犯罪であると考えられてきた。儒教では、贅沢は君臣・尊卑の名と分からの逸脱を意味するとされ、社会秩序に対する重大な挑戦と考えられてきた。一方、キリスト教(カトリック)においては、贅沢は「七つの大罪」における傲慢の罪にあたり、享楽的な生活に対する神の怒りが黒死病などの疫病や戦乱を生み出していると考えられてきた。
もっとも時代が進んで社会が豊かになってくると消費生活の統制が困難となり、効果の低い奢侈禁止令が他度々出されては遵守が徹底されなというジレンマも抱えることとなった。
フランク王国(カロリング朝)の時代から奢侈禁止令が見られるが、本格的に奢侈禁止令が出されるようになるのは、十字軍以後の商業の急激な発展と都市生活の高度化に対する教会及び国家の警戒によるものであった。当初は諸法令の1文に加えられる形式のものが多かったが、後には単独の法令として出される場合も増加した。
ただし、奢侈禁止令と言ってもその内容や対象は様々であり、全国・全身分に適用する場合もあれば、特定の地域や身分を対象にしたものもあった。イタリアの都市国家では支配階層であり貴族層の権力伸張を抑える手段として用いられ、続いて女性の発言力増加を危惧してこれを抑圧するための手段として出された。更に北欧などでは伝統的な価値観や共同体の維持と言った保守的な思想のもとで出される場合が多かった。
絶対王政期には、国王及び貴族の優位性を確立することと重商主義の観点から輸入を抑制して国産品の消費を拡大させるために民衆に対して奢侈禁止令が出された。